氏名: 林 健吾

論文題目: 移動型ロボットを用いた案内システムの構築


論文概要

ロボットに関する研究は著しく発展し、それとともに、人間の補佐をする ロボットへの注目ま高まっている。案内ロボット、看護ロボット、お手伝いロボッ ト、 監視ロボットなどがそれらの例に挙げられる。これらのロボットは、人間の存在する 環境内で、多種多様なタスクを、安全性、ロバスト性、リアルタイム性などに 留意してこなさなくてはならない。

本論文では、案内作業をこなすとともに、人とのインターフェースにも主眼をお いている。 ロボットの行うタスクは、以下のとおりである。
ロボットは、特定の場所で待機し、動く人物の検出をすると、その人物に対して発話 を おこない、案内作業の要望の有無を問う。案内を要望する人物に対して、対話 により決められた目的地へ人を案内する。

案内を要望する人物の動きを考える。人物は、ロボットの視野外から視野内へ、 もしくは視野内をロボットに向かって移動してくる。そして、ロボットの前で停止 し、 ロボットに対して話し掛けるか、ロボットからの反応を待つ。
人とのインターフェースを考えた際に、話し相手と目線を合わせることは、有益なこ とで あると考えた。本論文では、色情報を用いた人物の顔追跡を行った。人物の顔追跡に は、 肌色情報を用いる。さらに、ロボットに対して向かっている、注目肌色領域が人物の 顔であることを考慮して、唇色情報も用いた。
対象物体が人であれば、ロボットからの問いかけに返答するという考えの基に、 被案内者の特定の最終的な判断は、音声対話処理によって行った。

移動処理にもとめられることは、環境にロバストであることや、障害物や 歩行人物への回避運動を行うことができることなどがある。しかし、障害物の回避を 繰り返し行っていくことは、内界センサに頼った自己位置推定では誤差の蓄積によ り、 正常なタスクの実行を妨げる可能性がある。そこで、視野画像列と、自己組織地図を 用いて自己位置推定法を行った。また、障害物の回避には、停止体と移動体を 見極め、回避もしくは待機の二通りの行動を使い分けた。


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