氏名: 村田 正行

論文題目: ロボット操作における言語指示と動作指示の併用


論文概要

[背景]
社会でのロボットの多様化が進んでいる。従来のような工業目的だけで なく、人間の生活に関わるロボットが研究されている。それにより、 ロボットとの円滑なコミュニケーションの重要性が増している。

[目的]
ロボットの操作において言語による指示と動作による指示の 両方を用いて、ロボットとの円滑なコミュニケーションを実現する。 ロボットが人間がする発言と身振りを理解することで、ロ ボットをより自然に操作できる。そこで、ロボットとの対話として、「こ れ」、「あれ」、「それ」という指示代名詞と指さし動作により目標物体 を指示し、ロボットを移動させる。

[ロボット対話システム]
本システムでは、言語指示をとるための音声処理用 PC、動作指示、目標 物体の認識のための画像処理用 PC、ロボット制御用 PCを使用する。 各 PC は LAN で接続され、それぞれの指示を合わせ、ロボットへの動作 命令を行なう。 「これ」などの指示語 が目標物体のある範囲を示すと仮定し、目標物体の検出範囲を限 定する。指さし動作では、肘と手にマークを付け、指示方向を検出し、指示 物体の具体的な位置を得る。
音声処理用 PC では、IBM の ViaVoice を用いて発声された「これ」などの指示 を認識する。 画像処理用 PC では、2台の CCD カメラから指示者の腕のマークを抽出し、 ステレオ計算により指示方向を得る。 指示語が示す距離の範囲と指示方向が表す領域にカメラを向け目標物体を検出 する。最後に、その物体の位置にロボットを移動する。

[実験]
各脚3自由度を持つ四脚歩行ロボットにCCD カメラ2台を乗せ、 指示者にマイクとマークを付け、実験を行なった。 そして、言語と動作によりロボットへ指示を与え、ロボ ットを、人間に指示するように目標物体へ移動させることができることを 実験により確認した。


図1.システム構成

図2.実験

図3.指示方向抽出結果


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