TITLE>演技中の特定人物のリアルタイム抽出

氏名: 押領司 宏

論文題目: 演技中の特定人物のリアルタイム抽出


論文概要

[背景と目的]

 演劇やライブなどの舞台において、演出効果を上げるため、実際の演技と合成 映像を同時に観客に提示する演出方法が利用されつつある。 そこで本研究では、その演技に合わせたコンピュータグラフィックスやエフェク トを合成するため、演技者を実時間で抽出し、より演出効果のある映像を出力す るシステムを作成する。

[手法の検討]

 舞台では、照明の効果により色情報を重視した抽出手法は使用できない。 それに加え、演技者の動きに制限がないためパターンマッチングのような抽出手 法も使用できない。そのため、本研究では複数のカメラを用い、視差を利用した 『ゼロ視差フィルタ』や『ステレオビジョン』といった手法を実験により検討し た。 その結果、『ステレオビジョン』は、処理速度面で『ゼロ視差フィルタ』に劣る が、高精度で安定した人物抽出が可能であることが確認された。

[システムと結果]

 検討結果より、『ステレオビジョン』を使用したシステムを作成した。 本システムでは、3眼カメラを用い、距離情報を利用して演技者だけを抽出し た。 また、エッジを利用し、誤抽出された領域の削除と 抽出されなかった領域の補完を行い、より精度の高い抽出画像を得た。 その結果を図1に示す。 しかし、この手法では対応点探索に多くの時間を費やしてしまう。 そこで、前フレームの抽出結果を利用し、処理する画像領域を限定することによ り 約4 frame/sec の処理速度を得た。




(a)入力画像

(b)出力画像
図1:結果画像

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