図１.本研 究で提案したスライド方式
近年，携帯情報端末の普及が進んでいる．場所によらず携帯情報端末により大学内 の掲示情報を受け取ることができれば非常に便利である．本研究では携帯情報端末の 小さなディスプレイに適した見やすい情報表示の方法を提案する．また情報を探しや すくするため，学内掲示情報をアクセスする場所や人により再構成して携帯情報端末 へ配信する方法を提案する．
本研究では携帯情報端末への配信方法として無線 通信技術の一つであるBluetoothを採用した．Bluetoothは有効伝送距離が約10mと短 いため，場所の特定が可能である．したがって，接続するBluetoothアクセスポイン トの場所に依存した情報を配信することができる．
また携帯情報端末において 見やすい表示方法としてスライド方式（図1）を提案する．本方式では情報の詳細を 表示する際に情報表示領域が下方向にスライドし，その領域に詳細が表示される．本 方式では注目する情報以外の文字色を透過させて背景色に近づけることで注目部分を より強調する．
本方式の有効性を確かめるため従来の表示方式との比較による 評価実験を行った．実験課題を行うのにかかった時間およびその間の操作誤り回数を 比較した．実験回数を重ねると本方式の平均操作時間は従来方式の約80%となり，平 均操作誤り回数は従来方式の0.4に対して本方式では0.067となった．以上のことか ら，本方式が従来の方式に比べて有効であることが確かめられた．