眼球のSaccade運動とPursuit運動に示唆を得た移動物体の実時間追跡
竹内 義則,汪 増福,大西 昇,杉江 昇
日本ロボット学会誌,Vol.15,No.3,pp.162-168 (1997)
Abstract
移動物体を追跡するシステムについて述べた.人間の眼球運動における知見か
ら,移動する指標を追跡する場合,位置情報を入力とした駆動系(saccade)と
速度情報を入力とした駆動系(pursuit)の2種類ある.これを利用してシステム
を位置情報を扱う部分と,速度情報を扱う部分の2つに分け,それを統合して
カメラの回転角を制御し,移動物体を追跡する手法を提案した.開発したシス
テムは,ステッピングモータを用い高速に回転することのできる自動雲台の実
現と,汎用画像処理装置による画像処理の高速化によって,移動物体を見失う
ことなく実時間での追跡が可能となった.システムの追跡速度は最大
33(deg/s)となり,人間を追跡対象とするアプリケーションにおいて,システ
ムの有用性を示した.
takeuchi@ohnishi.nuie.nagoya-u.ac.jp